『サイコロジー・オブ・マネー』角度を変えた視点でお金を学ぶ本

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サイコロジー・オブ・マネー

投資関連の書籍は多く読んできましたが、そのほとんどで書かれていることは似通っています。

最近は書店に行って新しい投資本を手にしても買うことはほとんどありません。

今日紹介する書籍は以前から気になっていたもので、2カ月ほど前に購入して読みました。書かれている内容はお金との向き合い方も含め、これまで読んだ投資本と似ている部分もありましたが、少し違う視点からの内容が書かれており、個人的にはかなり面白い、箱男好みの内容でした。

誰でもお金持ちにはなれる

見出しの通りです。誰でもお金持ちにはなれます。地位や名誉、高学歴でなくても、富を得ることはできます。

「誰でもお金持ちになれるなら苦労はしない」

そうです。誰でもお金持ちにはなれますが、苦労はします。必要最低限の苦労をしないとお金持ちにはなれません。毎日部屋にこもっていてもお金を得ることはできません。働いて、貯めたお金を投資にまわすこと。そこからスタートです。

しかし、富を得るのに地位や名誉は必要ありません。

高学歴な大学を出て、大手企業に勤め、出世街道を歩いていく。地位や名誉、さらには高収入も得て、人生勝ち組。高級マンション、車、時計、浪費しても十分な収入は得られる人。

こういう人は世の中にたくさんいます。

しかし、そんなエリート人生を歩んでいる人間でも、なにかのきっかけで簡単に転落します。

そんなエリート人生とは真逆の人もいます。

地位や名誉とは縁がなく、技術も資格も必要ない低所得の仕事を長年続けている人生。しかしそんな人生を歩んだ人が92歳で亡くなったときニュースになりました。彼は800万ドルもの資産を持っていたからです。日本円で10億円以上です。

これは日本でも知られている話ですが、今回紹介している書籍にも書かれています。

運という要素

名医のように天才的技術で人の病気を治すことも、プログラミングで新たなネットサービスを作り出すことも、政治家や大手財閥の人たちと蜜月な人脈を作り上げることも、地方都市で最低賃金で働く40代後半の清掃員の箱男には到底不可能に近いことです。

しかし、そんな箱男でも逆転できるのが富を得ることです。

著者は、低賃金の清掃員が高級取りで一流の人間にファイナンスの世界では逆転できる二つの理由をあげています。

  1. 知性や努力とは無関係の「運」に左右される部分が大きい
  2. 化学や物理ではなく、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が大きく関わっている

 なぜそうなのか。これら二つの理由を著者は本書で語っています。

お金の価値観

本書ではチャートの説明や株の売り時買い時など、そういった内容は書かれていません。箱男が読了して感じた感想は「お金とは」という概念的な内容だと思いました。

しかし「お金」を考えるときに少し違った角度で見つめてみると、これまで考えていたお金の価値観というもののまた違った側面に気がつかせてくれる、なかなかの書籍だと感心しました。

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